2018/04/15
会社経営が軌道に乗って賃貸物件を持っている経営者の方、相続した土地の上に持っている資産家の方。これらの方に共通した疑問が、この賃貸物件は個人で持っていていいの?会社で持った方がいいの?というものです。この答えは、色々な要素が絡んでくるので一概には言えませんが、まずは疑問解決の入り口となるところから書いていきます。
賃貸物件を誰が所有するか?の入り口
賃貸物件を誰が所有するか?で負担する税金が大きく変わってきます。図にしてみました。
パターンとしては、大きく3つが考えられます。
① 個人で所有している → 〔毎年〕所得税 → 〔最後〕相続税
② 会社で所有している → 〔毎年〕法人税 → 〔最後〕相続税
③ 会社で所有+給料として支給 → 〔毎年〕法人税+所得税 → 〔最後〕相続税
税金は毎年と最後の2段ある
ご覧のように、税金のハードルは毎年の所得にかかる所得税や法人税と最後に残った財産にかかる相続税の2段構えになっています。所有者を誰にするかの疑問に答えを出すためには、この2段構えの税金がいくらぐらいになるのかをシミュレーションしていきます。所得税と法人税は、累進課税の仕組みも税率も違うので別々に計算してみる必要があります。
簡単に毎年の税金だけを比較すれば、②パターンの会社の方が得だけど、相続まで考えると①パターンの個人の方が得なケースや、その逆のケースもあります。
状況が変われば、選択も変わる!
加えて、所有者を会社にした場合に給料として払う相手がいれば、これも毎年の税金が変わります。②のパターンよりも③のパターンで給料として支給した方が、毎年の税金は大概のケースで安くなります。
例えば子供が成人したので給料を払える状況になった場合には、再度シミュレーションをし直します。
また、賃料収入が上昇したり下落したりすれば、どのパターンが良いのかも変わってきます。賃貸物件を増やしたり、空室が増えて収入が減ったり、その都度見直しをしていく必要があります。
入り口のまとめ
このように賃貸物件を誰が所有するか?は、たくさんの要素が絡んだ疑問です。ただ、シミュレーションを都度重ねれば、必ずどちらが得かは計算できます。少々時間のかかる作業ですが是非、税理士に「うちの状況だと、どちらがいいか?」を計算してもらいましょう。
今回は、入り口の概略にとどめました。今後、細かいところも書いていきたいと思います。