2018/04/15

銀行に融資を頼むと、融資後の事業計画書の提出を求められることがあります。そのときに大急ぎで事業計画書を作成することも多いのですが、銀行提出のためだけに、「所詮絵に描いた餅だ!」という気持ちで、さっと作ってしまうのはもったいないです。特に、起業や新規出店など大きな事業の変化があるときには事業計画書を時間をかけて練り上げることに重要なメリットがあります。そのメリットを書いてみます。
事業計画書とは
事業計画書には色々なフォーマットがありますが、一例としてはこんなものです。
事業の内容や将来性や優位性などを文章化した上で、今後3年間の損益や資金繰り表などを作りこんでいきます。
起業・新規出店に作成すると、何が分かるか?
事業計画書の数字の表を練り上げて作成をしていると、こんなポイントが見えてきます。例えば、1店舗の居酒屋と不動産賃貸のある会社が2店舗目を検討している場合の事業計画書を作ってみました。
○ 資金繰りが回るために最低限必要な売上はいくらか /その売上を達成するための客数や客単価はいくらか/原価率はどうか
○ 役員報酬はいくらとれるか、従業員にいくら給与わたせるか/ひと月の各経費の上限はいくらか
○ 最低ラインの売上が達成できるとして、かけられる設備投資はいくらか/設備投資と運転資金のため借入がいくら必要なのか
○ 計画通りいけば通帳の残高はどう増えていくのか
このほかにも様々な切り口で判明することがあります。そして、経営者として選択決定しなければならないことが明確になってきます。
数字をいじりながら考え続ける
事業計画書を練り上げるメリットは、起業後にも十分発揮できます。新人を採用したらどうなるのか?車や機械など設備投資をしたらどうなるのか?仕入先から支払を翌々月にと頼まれたけど大丈夫か?借入とキャッシュで払うのどちらが良いのか?など・・事業を進めていくうえで、考える土台として役立つでしょう。加えて、計画したものが結果としてどうなったのかの実績と比較するとその精度は更に上がります。
税理士事務所は、この作業のパートナーとして有用です。会社のデータも知っていますし、数字を整理することにも慣れています。従前の毎月試算表を作成する作業とは重なる面も多いです。積極的にサポートしてもらいましょう。
♦♦事務所では・・♦♦
起業や新規事業の立ち上げなど必要なときには、お客様とキャッチボールをしながら事業計画書の練り上げをサポートします。また作成した計画書と実際に動き出した事業の実績とを毎月比較できる資料を提供していきます。
≡開業まで、あと28日 本日の開業準備≡
ブログ更新/名刺の管理/封筒準備
≡編集後記≡
先日は義弟の事業計画書を練り上げました。キャッチボールの中で、弟であっても初めて知る部分があったりします。税理士としての業務の中で、このお互いをより深く知っていくという喜びのある事業計画書の練り上げは、個人的にとても好きな仕事です。