税理士への頼みごと|税理士 澤口洋輔のブログ(港北区日吉駅近くの澤口税務会計事務所)

申告書を作る以外に税理士は何ができるの?何を頼んでいいの?そんな疑問に答えてみようと2015年に書いたブログです。港北区日吉駅近くの「澤口税務会計事務所」では、これらのすべてに対応しております

煩雑な保険契約。保険金受取時にかかる税金を計算して保険を最適化してもらう【1】

time 2015/06/23

煩雑な保険契約。保険金受取時にかかる税金を計算して保険を最適化してもらう【1】

年末調整の時期に生命保険の資料を提出してもらったりすると、一人でたくさんの保険契約に加入している方がいます。日本人は世界的にも保険好きと言われているのを実感する瞬間です。
当人に聞くと、意外と加入している保険の本数が多くなりいまいち把握できなくなっている方も多いです。
実は、保険といっても種類があり、その保険金の受取時にかかる税金もさまざまです。万一のときに今まで毎月多額に保険料を支払ってきた分、ガツンと保険金を貰えて、ほっと安心していたら、ドカンと高い税金がかかってきたというケースもあります。
保険金を受け取るときにかかる税金を考慮した保険契約の整理の必要とその手順を書いてみます。

保険金の受取時の税金とは

今回は生命保険に絞って説明します。
生命保険で受け取る保険金には、死亡保険金と満期保険金があります。死亡時に受け取るものと一定の期間が来て受け取るものです。

この死亡保険金や満期保険金を受け取るときにかかる税金は、その保険料を負担してきた人と受け取る人の関係によって変わってきます。整理すると以下のようになります。

キャプチャ

①のケースでは、お父さんが自分が亡くなったあとで子供たちが困らないようにと生命保険をかけていた場合には、お父さんの死亡保険金を受け取った子供には、相続税がかかることになります。一方で、②のケースでは、お父さんがお母さんにも自分と同じように生命保険をかけていた場合には、そのお母さんの死亡保険金を受け取った子供には、贈与税がかかることになるのです。このように同じ死亡保険金の受け取りでも、保険契約によって変わってくるのです。

贈与税がかかるパターンから変更する

では、どのパターンの保険契約にすると受け取りのときの税金が安くなるのか?
相続税・贈与税・所得税では税率などが異なります。よって、受け取る死亡保険金が同じ金額であってもかかる税金の額は大きく変わってきます。
例えば、①~③のケースで、同じ2,000万円の死亡保険金を子が受け取ったものとして、その他以下の前提を考慮して計算してみます。【 前提条件:家族は父 母 子供2名、父の遺産2億円、子供の収入は会社給与600万円、生命保険の実払込額は1,000万円 】

キャプチャ

この前提例だと、②のパターンで贈与税がかかるときが最も税金が高くなります。死亡保険金の手取り額は、2,000万円-585万円=1,415万円です。

それぞれの状況により税金の額は変わってきますが、多くの場合で②の贈与税がかかってしまうパターンが最も税金が高くなります。
そこで、②のパターンの保険契約があったら、①や③の契約に変更する方法を検討してみるべきです。

例えば、保険会社に連絡して契約を変更して保険料負担者を父から母に変える、すなわち父の銀行口座から自動振替されている保険料を来月から母の口座からに変更するという方法があるでしょう。この変更により②のパターンが「母・母・子」という①のパターン変わります。結果、保険金の受け取り時の税金が変更後の分は相続税となり、税金が減らすことが出来るのです。

保険証券をすべて渡してリスト化してもらう

このように最終的な手続きについてはシンプルで、直ぐにでも出来ます。
ただ、ちょっと手間がかかるのが、加入している保険のすべてをどのパターンに当てはまるのか洗い出す作業です。知り合いの保険会社の方にやってもらうのも良いと思いますが、複数の保険会社を併用している場合には気になることもあるでしょう。

そんなときは税理士に頼んでみましょう。すべての保険証券を渡して一覧リストを作ってもらい、その上で、上記の表のような”もし保険金もらったら・・”の各税金の金額をみなさんの事情に合わせて計算してもらいます。
そして、一緒に最適なパターンへの組換えを検討してもらいましょう。

【2】は、こちら!

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澤口洋輔のプロフィール

澤口 洋輔(さわぐち ようすけ)

澤口 洋輔(さわぐち ようすけ)

澤口税務会計事務所の代表税理士。 横浜市港北区出身、1980(昭和55)年生まれ、三児の父。個人事業から中小企業、資産家から上場企業まで幅広い税務業務の経験を経て、2015年7月に「澤口税務会計事務所」を開業。企業経営から相続までの一貫したトータルサポートを信条に業務展開中です。 [詳細]

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